タイ仏教の厳格派「タマユットニカーイ」~その歴史と特徴を探る~
先日のブログで、当法人の代表理事のお寺である『真言宗 常住院』について触れました。
今回はタイ仏教の中でも、特に厳格な修行と戒律で知られる「タマユットニカーイ派」についてご紹介します。
この宗派はタイ仏教史において重要な位置を占めており、その独自性には学ぶべき点が多くあります。
タイ文化や仏教に興味のある方に、ぜひ読んでいただきたい内容です!
タマユットニカーイ派とは?
タマユットニカーイ派(タイ語で「ธรรมยุตนิกาย」)は、19世紀初頭に誕生したタイ仏教の一派です。
この宗派を創設したのは、ラーマ4世(モンクット王)です。
彼が僧侶として修行していた1824年、仏教改革運動の一環として設立されました。
当時、タイ仏教は形式化が進み、戒律が緩くなる傾向にありました。
それに疑問を抱いたモンクット王は、仏教本来の教えと実践を取り戻すべく改革を進め、その結果としてタマユットニカーイ派が生まれたのです。
タマユットニカーイ派の特徴
- 厳格な戒律遵守
僧侶はパーリ語の教典に基づき、227の戒律を厳密に守ることが求められます。
日常生活では、瞑想や托鉢が特に重視され、規律ある生活が徹底されています。- 簡素で実践的な儀式
他の宗派に比べて、タマユットニカーイ派の儀式はシンプルで実用的です。
華美な装飾や複雑な手順を避け、修行そのものを重視しています。- 規律ある生活
僧侶は一日一食が基本です。
食事の際には料理を混ぜずに食べるなど、細かい規律が徹底されています。
こうした習慣が精神修養の深まりに繋がっています。- 王室との深い関係
創設者がラーマ4世であることから、タマユットニカーイ派はタイ王室との関係が非常に深い宗派です。
現在でも王室からの支援を受け、仏教界で特別な地位を保っています。- 現代における役割
この宗派は教育や精神的指導の分野で重要な役割を果たしています。
僧侶たちは国内外で高等教育を受けることも多く、その修行の厳格さが国際的にも評価されています。
タマユットニカーイ派の歴史と現代の影響
タマユットニカーイ派の歴史を振り返ると、仏教の原点に立ち返ろうとする意図と、王室の庇護による特別な地位が浮かび上がります。
現代でも、その精神性と厳格な修行スタイルは、多くのタイ人や外国人仏教徒に影響を与えています。
瞑想や仏教文化に興味がある方にとって、この宗派の研究は新たな発見のきっかけとなるでしょう。
タマユットニカーイ派を知ることで、タイ仏教の奥深さやその精神性をより深く理解できます。
さいごに
いかがでしたか?タイ仏教の新たな一面をお届けできたなら嬉しいです。